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教員コラム

視覚・触覚・音声の融合による歯科シミュレータの開発 - 学科教員 登尾啓史

グランフロント大阪・ナレッジキャピタル・The lab(3階)のVisLab OSAKAにおいて、仮想現実感を利用した歯科シミュレータの体験ができるようにしました(http://kc-i.jp/facilities/thelab/activelab/)。これは、情報学科の登尾研究室・大西研究室・小枝研究室、大阪大学大学院歯学研究科、そして本学科の卒業生が起業した組み込みシステムのベンチャー企業(株)Embedded Wingsが共同で開発したものを、初めての方でも患者の歯を削る治療を簡単に経験できるようにLeap Motion(https://www.leapmotion.com/)というツールでデンタルバーの動作を入力できるようにしたものです。

一般に、歯科分野に限らずどんな分野でも、初心者(歯学生を含む)の施術は拙いものです。しかし現在、患者を利用した施術の練習はできる状況になく、プラスチックの歯科模型などを用いて歯の切削練習をしています。しかしそこには、エナメル質・象牙質・歯髄などの区別やリアルな切削感がなかったり、虫歯およびその切削ができなかったり、神経を抜いた後に生じる穴の掃除の練習ができなかったりといった状況です。また、そこでは、患者の様子(表情)を診ながら適切な施術を選択する練習もできないので、最近では「歯科患者ロボット シムロイドおよび昭和花子」が誕生し、医師から患者への声掛け練習ができるようになりました。しかし、それらは非常に高価ですし、歯の切削スキルの習得もプラスチックの歯科模型を削る程度にしかできません(図1参照)。

我々の「歯科シミュレータ」は、前述の2つのテーマ、すなわち、“歯をリアルに切削したり掃除したりする触覚”(触覚と視覚の融合)、そして“患者と適切に対話する視覚と音声”(音声と視覚の融合)を備えたバーチャルリアリティシステムです(図2参照)(http://conference.vrsj.org/ac2013/program/136/)。ちょうど、パイロットがフライトシミュレータで離着陸や飛行機の操縦手順を練習するように、この仮想現実感を利用した歯科シミュレータで、歯科医師が歯の施術や患者との対話の練習をして頂けたらいいなと思っています。

油絵のディジタル化?   — 学科教員 福山峻一

全くの我流ですが仕事の合間をみて油絵を描くことを楽しんでいます。10年前に鳥取に赴任して大山や山陰海岸など素晴らしい風景に出合ったのが始まりでした。その後、大阪(本学)に赴任して、落ち着いて街を眺めれるようになったところで描いたのがこの「大川の桜」です。環状線桜ノ宮駅で降りて、川沿いの公園をしばらく行ったところでこの景色に出合いました。

日本でも有数の名所と思います。

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小さなキャンバスでも、そこに自分だけの小世界が生まれ、他の諸事をひと時忘れる事が出来ます。そして、思ったように仕上がって来ると、なんとも言えない満足感に浸れます。このように、絵を描くと言うことは素晴らしく趣味として大切にして行きたいと思ってるのですが、一方で仕上げまでに辛抱(ストレス)を強いられるというマイナス面があります。それは、絵具の乾きが平均48時間程度かかる(経験則)ので、試行錯誤的に塗り重ねていくためには、色が濁らないように、「塗っては待ち・塗っては待ち」をその分だけ繰り返す必要があるからです。 私の場合、一枚の絵を仕上げるのに1.5から2カ月近くかかっています。油彩手法にもよるのでしょうが、個展会場などでプロの方に尋ねてみても、ある程度辛抱は必要の様です。

この乾燥時間や塗り直しの悩み、ArtRageなどのディジタル描画ツールを用いれば解決可能ですが、複雑な質感や量感、色みなど、仕上がり内容はアナログ系ツール(絵具や絵筆、キャンバス)によるそれとはかなり違和感が感じられ手が出せていません。この違和感解消には、モニタやプリンタなど完成絵画の表示・出力系がカギを握ってるように思いますが、ディジタル世界でアナログ作品を追求するのでなく、ディジタル世界に飛び込んで新しい創作世界を楽しむべきかもしれません。銀杏並木の御堂筋や、中之島界隈、生駒山系、淀川水系などなど大阪にも描いておきたいところが多すぎて辛いです。

ひらがな

こんにちは.メディアコンピュータシステム学科の小枝です.

先日,友人の松永氏が開催しておられる「和楽~日本人のたしなみ編~」という,とても気楽なセミナーに参加してきました.このセミナーは,日本独特の文化を再認識しよう,という趣旨で,その手始めとして今回は書道を行いました.自分の名前や年賀状に使われる文章を2時間弱,みっちりと練習してきました.

私は小学生の頃に地元で習字に通っていたり,また高校時代には習字の授業を受けていたりましたが,久々に毛筆で字を書いたので,かなり苦労しました.

さて,高校の時の授業で,「いろはにほへと・・・」を色紙に書くという課題があり,その時に,ひらがなの元になった漢字というものを習いました.以下がその一覧です(一部失念していたため,Wikipedia等を参考にして作成しました).

W

R

Y

M

H

N

T

S

K

A

A

I

U

E

O

それぞれの漢字を滑らかに書くとひらがなになることがお分かり頂けるかと思います.

(へ,み,む等は少し分かりにくいですね.別の漢字かもしれません)

め→女,ぬ→奴なので,この二文字が似ているのも納得できます.

な→奈,ら→良 は,さすが古都と言う感じがして興味深いです.

この対応を知っておくと,スムーズな筆の運びが可能になり,綺麗なひらがな(特に行書体,草書体)が書けるようになります.

以上,最新技術とは全く無関係なコラムでした.少しでも興味を持っていただければ幸いです.

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えっ! PiTaPaもパソコンなの?

みなさん,はじめまして

大阪電気通信大学総合情報学部メデァコンピュータシステム学科(学内略称T学科)の南角 茂樹(なんかく しげき)といいます。

今回はT学科のホームページリニューアルに伴って,教員コラムを掲載することになり,最初に私が担当することになりました。

大学では教員は授業を教える以外に,研究室というものを作って,その分野に興味を持った学生とともに特定分野の研究をします。そして私の研究室名は“組み込みリアルタイムシステム研究室”といいます。

おそらく皆さんは“組み込みリアルタイムシステム”といってもよくわからないと思いますが,その説明の前に簡単に自己紹介をしたいと思います。

実は私はこの大学に来て4年目で,つまりまだ3年半ほどしか経っていません。大学に来る前は三菱電機で20年以上研究や製品の開発をしていました。その時かかわっていた製品は,工業ロボットや工作機械制御用コンピュータ,工場制御用コンピュータ,エレベータ,宇宙衛星などいずれも,国内におけるシェア(占有率)が1位や2位の製品ばかりで是非色々お話したいのですが,家庭用の製品ではないので皆さんには,まだなじみがないと思うので,お話はまた別の機会にします。

それでは,組み込みシステムに話を戻したいと思います。

最初に下の写真を見てください。

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これは関西や関東,九州の私鉄やJRそれに新幹線等のIC乗車券(ICカード)です。

次に下の写真をみてください。

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これはプリペイド式乗車券や回数券(磁気カード,磁気ストライプカード)です。

どちらも電車に乗るなどの用途に関しては似ている部分もありますが,中身構造は全然違います。

プリペイド式乗車券や回数券は,全面磁気カードとよばれ裏面が磁性体で覆われていて全面に記録できる薄いカードです。仕組みとしてはあまり見かけなくなったビデオテープなどと同じで塗布された磁性体(磁石みたいなものです)に磁気の+と-を利用して情報を書き込みます。書き込める情報の量は70バイト(漢字35文字程度)しかありません。

一方ICカードは違います。見かけはロボットや携帯電話とは大きく異なるICカードですが,実は同じ組み込みシステムに分類されるものです。

組み込みシステムの特徴の1つは内部にコンピュータ(マイクロプロセッサ)を備えていることですが,まさにICカードは内部にコンピュータを備えています。

下の図を見てください,これがICカードの内部構造を簡略化して示したものです。

ICカード 実はあの薄いカードの中にコンピュータ(マイクロプロセッサ)やメモリまでも備えているのは驚きでしょう.

ところで図をみるとアンテナまで備えていることが分かります。ICカードにはいくつかの種類がありますが,写真の物はすべて非接触式ICカードと呼ばれるもので,リーダ/ライタである改札機とは電波による無線方式で通信を行い情報の書き込み読み出しを行います。そのためにアンテナまで備えているのです。

ところで図を見て何か不思議なことに気づきませんでしたか?

そう電池がないですよね?

電池がなくて,どうしてコンピュータを動かして暗号処理や信号の送受信が出来るのでしょう?

実はリーダ/ライタである改札から電磁波を受けて電磁誘導でカードで電力を発生させているのです(電力伝送)

情報を記憶できるサイズも,例えば32KBの物だと全面磁気カードに比べて400倍以上あります。またコンピュータや専用回路を備えているためデータの暗号化も簡単にしてしまいます。

小さなカードの中に色々な機能が詰まっていますね

おそらくパソコンでもICカードでやっているのと同じような機能は実現できるでしょう。

でもどちらが便利ですか,電車に乗るのにICカード1枚を持っていけばよいのと,パソコンを持っていかねばならないのと?

普通は,パソコンンを持ち歩いたり,パソコンを使って改札を通ったりはしたくありませんよね。

ここにも組み込みシステムが必要な理由が有ります。

このように,思いがけないものも組み込みシステムだということは分かったと思いますが,実は世の中は 携帯電話,地上デジタルテレビ,ゲーム機本体,自動車, 新幹線などの鉄道,エスカレーターやエレベータ,冷蔵庫,電子レンジなどの様々な家電製品,ロボット,デジタルカメラ,自動販売機,など組み込みシステムに満ち溢れ,皆さんもそれに囲まれて生活しています。もはやそれなくして日常生活を送ることはできませんし,皆さんも知らない間に様々な組み込みシステムを使っています。

これらの組み込みシステムは共通技術と,製品ごとの固有の技術から成り立っています。

共通技術とは,プログラミング技術,ハードウェア技術,ハードウェアとソフトウェアが連携するための技術,リアルタイムOS,人と組み込みシステムが対話するための技術,表示(グラフィック)技術, ネットワーク技術などがあります。これらはすべてT学科できちんと学ぶことができます。

製品ごとの固有の技術は,直接は大学では学ぶのは難しいですが,固有の技術を学ぶための基礎となる技術は学ぶことはできますし,企業の方を招いていろいろな話を聞いたり,質問したりする授業もあります。

是非我々とともに,これから,組み込みシステムを開発していくための技術を身につけませんか, 待っています。

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