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RoboCup Japan Open 2010 大阪 参戦記 ヒト型ロボット
大阪電気通信大学 総合情報学部
メディアコンピュータシステム学科
升谷研究室
小松 大祐
岡田 隆広
植田 康生
丸山 和幸
金田 健人
小林 良
目次
- 小型ロボットリーグにおけるヒト型ロボット
- ロボットのシステムについて
- ODENSについて
- 2010年5月2日(大会1日目)
- 2010年5月3日(大会2日目)
- 2010年5月3日(大会3日目)
- SSL Humanoidの結果
- ダイジェストビデオ
- 総括
小型ロボットリーグにおけるヒト型ロボット
小型ロボットリーグ(Small Size robot League、以下SSL)には、従来からある車輪型ロボットの競技と、RoboCup Japan Open 2009 大阪から始まったヒト型ロボットのサブリーグSSL Humanoidの競技に分かれています。ODENSのヒト型ロボット班は、後者のSSL Humanoidに出場しています。SSL Humanoidでは、ロボット本体は、ホビー用のヒト型ロボットキットを使うことができ、従来の車輪型と比べて費用がかからないので、去年に比べ参加チームが増え、徐々に盛んになってきています。
ロボットのシステムについて
先の項目で述べた車輪型ロボットとヒト型ロボットは、コンピュータのプログラムによって自律的にサッカーを行うようになっており、試合中はPCを触ることができません。ロボット頭頂部のマーカとボールを天井に取り付けられているカメラで撮影し、 撮影した映像を画像処理用のPCへ送り、各物体の位置や方向を算出し、両チームのPCへ送ります。各チームのPCでは、送られてきた情報に基づき、各ロボットの動作命令(前進、後進、その場旋回、キックなど)を決定し、その命令を電波でロボット本体へ送ります。ロボット本体には、予め各種の動作が登録されており、送られてきた命令に応じて各関節のモータを制御して動作を実行します。
ODENSについて
大阪電気通信大学のチーム「ODENS」で使われているヒト型ロボットは、京商の 1/5 SCALE ATHLETE HUMANOID「MANOI ATO1」です。今年からZigBee規格の無線装置を導入し、頭の部分を無線装置の格納場所として改造しています。
2010年5月2日(大会1日目)
対 KIKS(豊田工業高等専門学校)戦
KIKSの機体は足を短くして、重心の低くすることで素早く安定した歩行を行っています。キック方法はドリブルみたいなものが主流で、素早いサイドステップとそれに合ったプログラミングにより、ODENSの機体では追いつけない速度で先にボールを取られ、2点入れられてしまいました。さらに、マルチプルディフェンス(自陣のゴール前のエリアに機体が2体以上存在する反則)によるペナルティキックが2回あり、両方ともゴールを決められてしまいました。結果は0-4で敗北です。
対OPCT(大阪府立工業高等専門学校)戦
OPCTの機体はトリム調整をあまりしなくても問題なく使用することができ、キーパーとアタッカーの機体に違いがあり、特にアタッカーの目が光ってたのが印象的でした。フィールドの凸凹により機体が倒れることが多発したため、得点としては、OPCTが マルチプルディフェンスによるペナルティキックの1点のみでした。結果は、1-0で勝利しました。
試合開始時に機体の電源を入れ忘れがあったため、各チーム3回しか使えないタイムアウト(競技休止時間)を取ることになったので、次はこのミスはないようにしたいです。
2010年5月3日(大会2日目)
対Owaribito-CU(中部大学)戦
この試合の開始のキックオフでうまい具合に相手の機体に当たり、オウンゴールしてくれたおかげで開幕1点を取ることができました。その後は、相手のディフェンスがうまかったこともあり、シュートできる機会が極端に少なくなりました。結果は1-0勝利です。
この試合の後から、ペナルティキックの際に、マーカーの色とボールの色が重なってしまうことがあるので、一部のマーカーを封印することになったり、ゴール前のディフェンスエリアに機体が2機以上入ってしまうこと(マルチプルディフェンス)があったので、それの修正を行っていました。
対Chukyo RoboStars(中京大学)戦
試合開始にChukyo RoboStarsの機体1機がトラブルにより煙を噴き出したが、代えの機体が無く、3機対2機のハンデありの試合となった。ODENS、前回のプログラム修正の影響で、ゴールを決めたら、プログラムにエラーが起きて落ちてしまったので、タイムアウトを取り、試合よりもそれぞれのチームが機体とプログラムを修正する時間のほうが長かった試合でした。このプログラムエラーは試合が終わってからも改善を行いました。結果としては、2-0でODENSの勝利となったが、相手が1機少なくても2点しか取れてないので、もう少し得点を取れるようにプログラムの改良が必要だと感じました。
対RoboDragons(愛知県立大学)戦
RoboDragonsの機体はサイドステップなどが速く、ボールを確保するのが難しい場面もあったが、通信関係に不具合が生じたのかうまく動いていなくてキックが外れる場面が多々あった。また、こちらの機体が2機以上ディフェンスエリアに侵入してしまい、ペナルティキックをすることとなったが、久々にキーパーが働いてくれたおかげで、失点0の2-0でODENSが勝利しました。
2010年5月4日(大会3日目)
準決勝 対Owaribito-CU(中部大学)戦
開幕からボールがゴールのポスト前に止まり、ゴールポストが邪魔でキーパーがあらぬ方へ行ってしまい、点数入れられてもおかしくない状況になりましたが、他のロボットのフォローによりなんとか守ることができました。その後、PKで1点入れられてしまいましたが、プログラムの改良と機体のトリムが良くなってるおかげで、2点ゴールを決めることができ、結果は2-1でギリギリ勝ち、決勝戦に進出することができました。
決勝 対 KIKS(豊田工業高等専門学校)戦
予選では0-4と大敗していたので、今回はマルチプルディフェンスを起こさないようにプログラムを修正したつもりでしたが、また前回と同じマルチプルディフェンスをしてしまい、前回と比べると善戦したが結果は1-3で敗北し、優勝を逃してしまいました。KIKSのロボットは、シュートを入れられると悔しがるポーズをするので、次に試合する時には、悔しがるポーズをたくさんさせたいものです。
SSL Humanoidの結果
- 優勝: KIKS (豊田工業高等専門学校)
- 準優勝:ODENS (大阪電気通信大学)
- 第3位:OPCT (大阪府立工業高等専門学校)
ダイジェストビデオ
総括
今回のRoboCup Japan Open 2010 大阪では、ヒト型ロボット班の」メンバの大半は初めての公式戦で、他のロボットがどういう動きをするのか、 どういうロボットを使うのか、あまり理解できておらず、試合がとても不安でした。結果は思っていた以上の戦績を出したので、驚きと同時に安心しました。しかし、試合の度に思いもしない所でエラーが発生してしまいました。見方を変えれば、プログラム面でもハード面でもまだ発展できるということですので、今後はもっと努力をしていこうと思います。