2015年10月7~10日に千葉県の幕張メッセで開催された「ジャパンバーチャルロボティクスチャレンジ(JVRC)」において,本学科 升谷研究室「ODENS-B」チームが第3位に入賞しました.
JVRCは,災害対応ロボットのコンピュータシミュレーションによる競技会で,主催者である新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が取り組んでいる「環境・医療分野の国際研究開発・実証プロジェクト/ロボット分野の国際研究開発・実証事業/災害対応ロボット研究開発(アメリカ)」のプロジェクトの一環として今回初めて実施されました.
今回の競技テーマはトンネル災害調査で,車両内外にいる要救助者の有無確認,ボルト締結部や壁面のはく離などに対する打音検査,壁面のひび割れなどの目視検査,障害物の除去などを想定しています.実際の競技では,シミュレータ上のロボットを使ってQRコードを探して読み取ったり,障害物のモデルを押したり抜いたりというタスクが設定されていました.
升谷研究室では,自律分散型ロボットシステムの研究の一環としてロボットサッカー競技RoboCupに参加しており,その中でヒト型ロボットの制御にも取り組んできました.JVRCは遠隔操縦が主ですが,これまでの研究成果を活かし,新たな研究課題を見つけるために,この競技会に参加することにしました.当初,2チーム(ODENS-A, ODENS-B)で異なる種類のロボットで出場することを目指していましたが,準備不足のためODENS-Aチームは出場を断念しました.
競技会には10チームが参加し,2日間の競技の合計得点の順位は,以下の通りでした.
- 1位 270.6点 MID(株式会社MIDアカデミックプロモーションズ)
- 2位 177.9点 AIST-NEDO(産業技術総合研究所)
- 3位 157.5点 NEDO-JSK(東京大学)
- 4位 126.0点 TEAMNADO(大阪府立大学工業高等専門学校)
- 5位 94.4点 ODENS-B(大阪電気通信大学
このうち,NEDOから支援を受けてDARPA Robotics Challenge(DRC)に参加したAIST-NEDOとNEDO-JSKは入賞の対象外という取り決めにより,ODENS-Bは繰り上げ3位になりました.
升谷研究室では,これまで等身大のヒト型ロボットの実機を扱ったことはなく,準備期間も十分ではありませんでした.そこで,公開されているライブラリをうまく組み合わせて,最小構成のシステムで参加することにしました.これが功を奏して,機能的には高くはないものの,確実に動くロボットシステムになり,得点を挙げることができました.
升谷教授とともに出場したメディアコンピュータシステム学科4年生の三谷峻生君は大学院に進学予定で,進学後もヒト型ロボットの研究を続け,この競技会に再度挑みたいと言っています.