ロボットサッカー競技 RoboCup Japan Open 2009 大阪 参戦記

大阪電気通信大学 総合情報学部
メディアコンピュータシステム学科
升谷 保博

目次

RoboCup参加の経緯

[車輪型ロボット]

RoboCupとは、ロボット工学と人工知能の融合、発展のために自律型ロボットによるサッカーを題材とする国際プロジェクトで、その競技会は1997年 から始まりました。私は、大学院生のときからロボットの研究を行ってきましたが、RoboCupの考え方に共感し、1998年ごろからRoboCupを題 材とした研究を始め、2000年に初めて国内大会に出場しました。その後、2005年に大阪電気通信大学に赴任し、その年に大阪で開かれた世界大会には、 大阪大学と大阪電気通信大学の合同チームで出場しました。

RoboCup2005参戦記

[ヒト型ロボット]

その後、大阪電気通信大学単独でロボカップに参加するべく準備を進め、2006年度に升谷研究室に配属になったメディアコンピュータシステム学科の1期生 (2005年入学)が、プレゼミのテーマとしてロボカップに取り組み、2007年5月「RoboCup Japan Open 2007 大阪」に、新たなチーム名「ODENS(オデンズ)」として出場しました。

RoboCup Japan Open 2007 Osaka参戦記

[シミュレーション3D]

ODENSの2年目は、2007年度の後期から升谷研究室に配属されたプレゼミ生全員と卒研生の一部が取り組み、2008年5月に静岡県沼津市で開催され た「RoboCup Japan Open 2008 沼津」に出場しました。この年は、小型ロボットリーグにおいて、従来の車輪型ロボットの公式競技に取り組むグループと、新しい試みであるヒト型ロボットの デモ競技に取り組むグループの二つに分かれていました。競技の結果、小型ロボットリーグにおいて準優勝し、さらに日本ロボット学会賞を受賞しました。ま た、ヒト型ロボットリーグのデモが認められ、私と学生2名が7月に中国で行われた世界大会に参加し、そこでもデモを披露しました。

RoboCup Japan Open 2008 沼津 参戦記

そして、ODENS3年目。2008年度後期から升谷研究室に配属されたプレゼミ生全員と卒研生(3年生)と特研生(4年生)の一部が取り組むことになりました。

各グループ詳細

[Robocup Japan Open 2009]

2009年のRoboCupの日本国内の大会である「RoboCup Japan Open 2009 大阪」は、 5月8〜10日に大阪市の京セラドームで開催されました。年度が替わり、 大学院生3人、卒業研究を終えた5人、卒業研究生となった10人と、そして、私が大会に参加しました。

今回は、小型ロボットリーグにおいて、従来の車輪型ロボットの競技に取り組むグループと、新しく始まったヒト型ロボットの競技に取り組むグループ、そし て、シミュレーションリーグにおいて3D部門に取り組むグループの三つに分かれています。シミュレーション3Dは、卒研生の希望で昨年の大会の後から新た に始めたものです。それぞれのグループの詳細は、学生たちがまとめた以下のページをご覧ください。

参加を終えて

member[集合写真]

学生達は、未熟ながらも、作業を分担して期限の中で遂行するという経験をしました。そして、その結果が試合という形であからさまに評価されるという経験もしました。

3年目の今回は、参加学生に3学年に渡る層の厚さがありましたが、それが活かしきれていなかったように思います。先輩は後輩を十分に導けず、後輩は先輩を 頼ってお客様気分が抜けていなかったように感じました。この経験を通して、チームワークやその基となるコミュニケーションの大切さや難しさに気付いてくれ たでしょうか?

また、年を追うごとにチームの技術力はアップしていますが、メンバはどんどん入れ替わりますので、技術や知識の引継ぎや、メンバ全体のレベルアップが重要な課題となります。これをクリアしないと、これ以上強いチームにはできないでしょう。

色々と課題はあるのですが、参加した学生たちは、大きな自信や達成感を得たのではないかと思います。新しい卒業研究生は、Japan Openが済んで、昨年度からプレゼミで取り組んできた活動を一旦終えることになります。この学科では、「卒業研究」が3年生で実施されますが、何人かが 卒業研究のテーマとして引き続きRoboCupを選びました。彼らが、今回の経験を基に、後輩達と次回の大会でさらなる成果を出してくれることを期待して います。一方、RoboCup以外のテーマを選んだ人も、この経験を今後の糧にしてほしいと願っています。

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