2012年6月18~24日にメキシコシティで開催された「RoboCup 2012 Mexico City」において本学科升谷研究室の「ODENS」チームが,「3Dシミュレーションリーグ」で8強入りを果たしました.
RoboCupへの取り組み
本学科の升谷研究室では,世界的なロボットサッカー競技RoboCupを題材として,自律分散型ロボットシステムなどの研究に取り組んでいます.その一環として,この度2012年の世界大会である「RoboCup 2012 Mexico City」に出場しました.参考: 大会のウェブサイト
升谷研究室では,「ODENS」(オデンズ)というチーム名で2009年から毎年世界大会に出場しています.RoboCupには様々なリーグ(種目)がありますが,今回出場するのは,これまでの「小型ロボットリーグ」ではなく,「3Dシミュレーションリーグ」です. ODENSは,国内大会(RoboCup Japan Open)では,3Dシミュレーションリーグにおいて2011年と2012年に連続優勝していますが,世界大会に出場するのは初めてです.
3Dシミュレーションリーグは,コンピュータの中の仮想空間においてヒト型ロボットがサッカーを行う競技です.その空間では,力学や幾何学のモデルに基づいて実際の世界を再現していて,転倒や衝突も起こります.そこでロボットを自律的に歩かせサッカーさせるために,全ての関節の動きを指示するプログラムを作らないといけません.プログラムは,ロボット1台ごとに独立していますので,このリーグの試合は,各チーム11個のプログラム同士の対決になります.
世界大会遠征
今回の遠征に参加したのは,教員1名,大学院生1名,学部3年生2名の計4名です.
現地では,6月18日から準備を始め,20日に予選の組み合わせを決めるSeeding Round,21日と22日に予選Round,23日に決勝トーナメントが行われました.今回の3Dシミュレーションリーグには,24チームが登録していましたが,ビザの関係などで渡航できないチームがあり,実際には以下の9ヶ国13チームが出場しました.
- Apollo3D(中国)
- beeStanbul(トルコ)
- Bold Hearts(英国)
- cit3d(中国)
- FC Portugal 3D(ポルトガル)
- FUT-K_3D(日本)
- Karachi Koalas(オーストラリア,パキスタン)
- L3M-SIM(フランス)
- magmaOffenburg(ドイツ)
- ODENS(日本)
- RoboCanes(米国)
- SOCIO_3D(日本)
- UT Austin Villa(米国)
予選は,グループに分かれて総当たりで試合を行い,成績の低いチームを抜いて,新たにグループを組みなおすことを繰り返し,最後に残った4チームで決勝トーナメント(準決勝,決勝,3位決定)を行いました.ODENSの戦績は以下の通りです.
- First Round (Group E)
- ODENS 1 – 0 SOCIO_3D
- ODENS 0 – 0 Karachi Koalas
- ODENS 0 – 0 Apollo3D
- ODENS 0 – 0 beeStanbul
- ODENS 0 – 2 Bold Hearts
- Second Round (Group G)
- ODENS 2 – 1 FC Portugal 3D
- ODENS 2 – 0 FUT-K_3D
- ODENS 0 – 0 Karachi Koalas
- ODENS 0 – 2 Bold Hearts
- ODENS 0 – 2 RoboCanes
- Third Round (Group I)
- ODENS 0 – 3 UT Austin Villa
- ODENS 0 – 3 cit3d
- ODENS 0 – 2 RoboCanes
結果は3勝6敗4分で,決勝トーナメントには進出できませんでしたが,世界の中で8強入りすることができました.国内では優勝したODENSチームですが,世界の壁は厚いことを思い知らされました.強いチームと対戦することで,次の課題も明らかになりました.参加した学生は,来年も挑戦したいと言っています.
来年のRoboCup世界大会は,2013年6月24~30日にオランダで開催されます.
なお,今回の遠征の写真や詳しい状況は,Facebookの升谷研究室のページで公開しています.興味のある方は,そちらもご覧ください.