油絵のディジタル化?   — 学科教員 福山峻一

全くの我流ですが仕事の合間をみて油絵を描くことを楽しんでいます。10年前に鳥取に赴任して大山や山陰海岸など素晴らしい風景に出合ったのが始まりでした。その後、大阪(本学)に赴任して、落ち着いて街を眺めれるようになったところで描いたのがこの「大川の桜」です。環状線桜ノ宮駅で降りて、川沿いの公園をしばらく行ったところでこの景色に出合いました。

日本でも有数の名所と思います。

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小さなキャンバスでも、そこに自分だけの小世界が生まれ、他の諸事をひと時忘れる事が出来ます。そして、思ったように仕上がって来ると、なんとも言えない満足感に浸れます。このように、絵を描くと言うことは素晴らしく趣味として大切にして行きたいと思ってるのですが、一方で仕上げまでに辛抱(ストレス)を強いられるというマイナス面があります。それは、絵具の乾きが平均48時間程度かかる(経験則)ので、試行錯誤的に塗り重ねていくためには、色が濁らないように、「塗っては待ち・塗っては待ち」をその分だけ繰り返す必要があるからです。 私の場合、一枚の絵を仕上げるのに1.5から2カ月近くかかっています。油彩手法にもよるのでしょうが、個展会場などでプロの方に尋ねてみても、ある程度辛抱は必要の様です。

この乾燥時間や塗り直しの悩み、ArtRageなどのディジタル描画ツールを用いれば解決可能ですが、複雑な質感や量感、色みなど、仕上がり内容はアナログ系ツール(絵具や絵筆、キャンバス)によるそれとはかなり違和感が感じられ手が出せていません。この違和感解消には、モニタやプリンタなど完成絵画の表示・出力系がカギを握ってるように思いますが、ディジタル世界でアナログ作品を追求するのでなく、ディジタル世界に飛び込んで新しい創作世界を楽しむべきかもしれません。銀杏並木の御堂筋や、中之島界隈、生駒山系、淀川水系などなど大阪にも描いておきたいところが多すぎて辛いです。

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